ビジネス

変わり種食用油の品数増え高級化も 健康意識がブーム支える

アマニ、えごま、ココナッツなど、変わり種の「油」が人気

 以前は健康やダイエットの敵とされがちだった食用油(オイル)に、注目が集まっている。家庭に定着したオリーブオイルをはじめ、オメガ3系脂肪酸を含む高価格な亜麻仁(あまに)油やえごま油など、スーパーなどに並ぶ食用油の種類はここ数年で劇的に増えた。

 今年は、米国のスーパーモデルらが愛用するというココナッツオイルが日本に続々上陸し、人気を博している。新たな健康、美容意識の高まりが、オイルブームをけん引しているようだ。

 ここ数年の食用油市場は横ばいが続いているが、その中で目を引くのはオリーブオイルの躍進だ。7年連続で市場が拡大し、市場規模は300億円の大台を突破。家庭用食用油の11%を占めるカテゴリーに成長している(「最新油事情」幸書房2014.5.9)。日本植物油協会は「オリーブオイルを使用するお洒落な料理番組の人気に加え、イタリア料理が一般化するなど家庭料理の多様化などによって、オリーブオイルが家庭に定着したと考えられます」と話す。

 亜麻仁油、えごま油、しそ油、アボカドオイル……等々、“変わり種”油への関心も高まっている。火付け役となったのがオメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)だ。

 それぞれの油、また製品によって成分や含有量は異なるが、この脂肪酸は体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変わる。DHAやEPAは青魚などに豊富に含まれ、動脈硬化予防や生活習慣病予防などに効果があるといわれる脂肪酸である。このオメガ3が健康意識の高い人々の関心を集めるようになった。

 そして今年注目を集めているのがココナッツオイルだ。モデルのミランダ・カーが愛用し、ミス・ユニバース日本代表専属栄養士のエリカ・アンギャルさんが推奨していることが雑誌などで喧伝され、感度の高い女性たちを惹きつけた。脂肪燃焼を促進するなどダイエット効果と、老化防止などのアンチエイジング効果を期待できると話題だ。

 料理に使うのみならず、そのまま飲む、あるいは顔や手、ヘアの保湿に使うなど使用法も多岐にわたる。このココナッツオイルは、アルツハイマーの改善や予防に効果があるという書籍が出版されたことから高齢層の関心も高い。

 そもそも脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分けられる。飽和脂肪酸は肉やバターなどに含まれる固体の油で、不飽和脂肪酸は主に液体に含まれる。不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸(オレイン酸など/含有量の多いもの:オリーブオイル)と、多価不飽和脂肪酸(リノール酸/同上:紅花油、αリノレン酸/同上:亜麻仁油)に分けられ、それぞれに栄養価と役割がある。健康と美容を考えるならバランスよく取ることが大切だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン