壁ドン4連発に、えなりかずき(30才)演じる妻子持ち住職の不倫、そしてゆるキャラまで登場したドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)第5話。毎週欠かさず見ている人にとっては、爆笑の連続となったが、視聴率は7.4%…。初回から大苦戦している同ドラマの脚本を手がけている宮藤官九郎(44才)の悩みはますます深まっていることだろう。
11月4日の『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』では自虐ネタのオンパレード。
「体は全然、大丈夫です。MRIには出ないからね、心のズタズタまでは」
「おれの感覚がみんなからズレてるのか。おれがズレてるんだなと思うと、不安になっちゃって」
社会現象を巻き起こしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』終了から約1年。大きな期待を背負っての脚本だったが、『あまちゃん』の平均視聴率20.6%から遠く離れて惨敗中だ。しかし、インターネット上には《一週間を生きた自分の最高のご褒美》《笑いのネタが細かすぎや!笑いすぎて腹筋が痛い(笑)》などと称賛の声が溢れる。秋ドラマをぶった斬る特集でも、コメンテーターらは決まって好評価。そして、本誌編集部やその周りからも「見てる!」「面白い!」の声がほうぼうから上がっているのだ。
実際、『テレビガイド』の「週間地上波録画予約ランキング」で『ごめんね青春!』は、トップ常連。高視聴率ドラマ『ドクターX』(テレビ朝日系)やドラマ『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)を押さえて堂々1位になったこともあった。
この状況について、コラムニストの今井舞さんはこう見ている。
「クドカンのドラマは細かいネタでクスクス笑うことが多く、『あまちゃん』のように15分であれば集中して見られますが、1時間枠となるといろんなネタがちりばめられていますし、伏線も多いですから、じっくり見たい。だから録画率が高くなる」
またコラムニストのペリー荻野さんはこう言う。
「私、毎週見てますよ。リアルタイムでも見ますが、録画もしています。風間杜夫が和尚さんの格好のままスクーターに乗ったり、ブラックなえなりかずきを見られたり、生徒たちも細かいキャラ設定ですから、何度も繰り返し噛みしめたいんです。録画率が高いというのは、“家族みんなで見ましょう”というのではなく、自分のために見たい人が多いってことだと思いますね」
前出の今井さんは、こうも続ける。
「日曜夜9時は、もっとも家族でテレビを見る時間。例えば私の友人は、主演の満島ひかりが生徒たちを前に“処女です”と宣言する場面などで幼稚園の子供から“処女って何?”って聞かれて、“あれは録画して見ようと思った”って話していました。
ただこれまでもたびたび議論されていましたが、これをきっかけにドラマは、視聴率と録画率のダブルスタンダードで評価する時期に差しかかったのではないかと思うんです。これだけ録画機器が進化して、携帯でもドラマが見られる時代になったわけですからね」
※女性セブン2014年11月27日号