テレビ界は、いま1人の大学4年生の話題でもちきりだ。2011年にミス東洋英和女学院大学に輝いたこともある笹崎里菜さん(22)だ。
彼女は来年4月に日本テレビにアナウンサー職で就職するはずだった。しかし「銀座のクラブでホステスのアルバイトをしていた」という理由で内定を取り消された。笹崎さんには、日テレから以下のような記述の書面が渡された。
〈銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくないものであり、仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずることは明らか〉
日テレは、笹崎さんが内定前にホステスのアルバイト歴を申し出なかったことが虚偽申告だとして、内定時に交わした誓約書に違反しているとも主張している。
一方、笹崎さん側はこれを不服として日テレを提訴した。14日には第1回の公判が行なわれた。訴状では〈「職歴」欄にすべてのアルバイト歴を申告することを被告(日テレ)が求めていたとは考えられない〉〈「銀座のホステスというアルバイト歴」を有するものは、「清廉性」、「さわやかさ」、「清潔さ」に欠ける者であるという独自の偏見に基づき、(中略)職業に不当な貴賤の別を見る驚くべき主張をしている〉と、内定取り消しの無効を求めている。笹崎さんの代理人・緒方延泰弁護士がいう。
「訴訟の目的は、笹崎さんが希望通り日本テレビに入社できるようにすることです。円満解決のためにこれまで日本テレビさんに対して丁寧にアプローチしてきたが、拒絶されたためこのような手段となりました。
私が調べた限り、水商売の経歴で内定を取り消された例はない。今回の場合、そもそも『清廉性』という概念すら曖昧です。採用前に“ホステス経験者はダメ”と明示されていたわけでもないのに、それを虚偽申告というのは無理がある」
※週刊ポスト2014年11月28日号