40才を過ぎてブレークを果たし、俳優、ミュージシャン、ラジオパーソナリティー、コラムニストとマルチな活躍を見せるマキタスポーツ(44才)。彼の1日に密着した。
「朝からドラマを撮って、そのあと、ラジオの収録をして、取材を3本受けてからまたバラエティーの収録。合間に連載のコラムを執筆して、そのあと自分がやっているバンドのリハーサルが翌朝4時までやる予定。今日はすごくハードですね」(マキタスポーツ・以下「」内同)
と多忙ながらも、疲れたところは見せない。カメラを向ければおちゃらけた表情もするし、渋く決めることもある。複数の顔を持つ男とは彼のような人を指すのだと実感させられる。
映画『苦役列車』でブルーリボン賞を受賞するなど、その演技力が高く評価され役者として活躍するマキタ。しかし、子供の頃は芸人とミュージシャンが夢だったという。
「芸人はビートたけしさんとコロッケさん、ミュージシャンは長渕剛さんが憧れでした。たけしさんからは言葉選びのセンス、コロッケさんからは人を笑わせるリズム感を学びましたね。長渕さんはギターテク。中学生の頃に聴いていたラジオ番組で長渕さんがギター講座みたいなことをやっていて、それを聴き、“ギターって面白いんだな”って思い、本格的に始めるようになったんです」
中学生の頃からミュージシャンの楽曲モノマネをし、彼らがよく使う言葉やメロディーを分析していた。
それがJ-POP評論につながり、2012年に出演した『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)ではこれまで分析したヒット曲から“ヒットの法則”を披露。
「ぼくが今日、仕事に恵まれ、売れた状況になったのはたぶん、『金スマ』が大きいのだと思います。あそこで多くの人にマキタスポーツという存在を知ってもらえた気がします」
芸能界の中でも屈指の売れっ子となったが、プライベートでは2人の娘の父親。多忙ゆえ、家族と過ごす時間も最近はままならないという。
連載中の雑誌の原稿は、家族が寝静まった深夜に書く。まさに24時間働いている状態だが、唯一の息抜きは晩酌。妻が作る納豆オムレツをつまみにビールや焼酎を飲むのが日課。
「休みたいとは思う半面、休みたくない気もします。今は明日、売れるための種まきをしている感じもするので。今、売れている状況も10年前にまいた種が収穫の時期を迎えているのだと思う。でもそれを刈り取ったら何もなくなってしまう。だからその前に新しい種をまかないといけないんです。時代と添い寝することが芸能界かもしれませんが、年をとったせいか生きた証が欲しい。だから本も書くし、曲も作るのかもしれません」
彼がまき続ける種が、10年後どう開くのだろうか。目が離せない。
※女性セブン2014年11月28日号