解散風の中、小渕優子・前経産相が雲隠れして国会に姿を見せない。
あの辞任会見(10月20日)以来、一度も本会議に出席していないのだ。5法案の採決が行なわれた今月11日も、衆院本会議場では「うちわ」配布で同時辞任した松島みどり・前法相が笑みを浮かべていたのに、小渕氏の氏名標は倒されたままだった。
地元はもっと激しい嵐の中にある。
父の代から秘書を務めた“国家老”の中之条町長が小渕後援会の巨額使途不明金疑惑の責任を取って辞任、東京地検特捜部の事情聴取を受け、小渕事務所にも家宅捜索が入った。盤石といわれた後援会組織はいまやガタガタだ。
しかも、この機に大勲位・中曽根元首相の孫・康隆氏や山本一太・参院議員が地盤を狙っているとされ、解散となれば、地盤を守りたい小渕氏が無所属で出馬するとの観測もある。
それだけに、組織立て直しのために国会をサボって地元で「お詫び行脚」をしているのかと思いきや、違うらしい。
「優子さんが帰ってきているという話は聞かない。正直、この時期の選挙は厳しいが、ライバルの出馬準備が整っていないのが不幸中の幸い」(古参後援会員)
東京の自宅でも2人の愛息を学校に送迎するいつもの姿はなかった。いくらなんでも雲隠れしたままバッジを守ろうというのは虫が良すぎません?
撮影■田中麻衣
※週刊ポスト2014年11月28日号