安倍政権が解散・総選挙に踏み切った要因のひとつに閣僚のスキャンダル隠しがあるといわれる。ここでそのスキャンダルの概要をふり返ってみよう。
●塩崎恭久(厚生労働相):自身の選挙区にある特別養護老人ホームの開設について、秘書が厚労省に口利きした疑惑。
●西川公也(農林水産相):政策秘書の息子が社長を務める「NA企画」などの親族企業に、「タイヤ代」などとして計100万円近くを流していた。
●江渡聡徳(防衛相):江渡氏が代表を務める「自民党青森県第2選挙区支部」から、自分自身に対して800万円寄付していた政治資金私物化疑惑。
●望月義夫(環境相):後援会の収支報告書で、賀詞交歓会などについて収入の記載がないのに支出約742万円を記載。虚偽記載、買収の疑いも。
●小渕優子(前経済産業相):後援会が開いた観劇会について、収支1億円以上を不記載。また、親族企業から政治資金でネクタイ、ハンカチなどを購入。10月20日に辞任。
●松島みどり(前法務相):選挙区内で「うちわ」を配布。公職選挙法で禁じられた有権者への寄付にあたる疑い。本人は「討議資料」と主張した。10月20日に辞任。
●宮沢洋一(経済産業相):資金管理団体から「交際費」名目で広島市内のSMバーに政治資金約1万8000円を支出していた。
●有村治子(行政改革相):有村氏が代表を務める政党支部が、脱税で罰金の判決を受けた鹿児島市の企業から60万円の寄付を受けていた。
●高市早苗(総務相):ネオナチ団体代表者と議員会館で面会し、ツーショット写真を撮影していた。
●山谷えり子(国家公安委員長):ヘイトスピーチが問題となっている「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の関係者と一緒に記念撮影していた。
●御法川信英(財務副大臣):顔写真入りカレンダーを選挙区で無料配布していた。公職選挙法で禁じられた有権者への寄付にあたる疑い。
●野田聖子(前自民党総務会長):選挙区内で「顔写真入りうちわ」を、政治資金パーティーで「顔写真入りクオカード」を配布。いずれも公職選挙法違反の疑い。
※週刊ポスト2014年11月28日号