【書籍紹介】『池田屋乱刃』伊東潤/講談社/1728円
新選組が尊王攘夷派を襲撃し、その名を高めた池田屋事件。本書は幕末を揺るがした事件を、殺された志士たちの視点で描いている。北海道開拓の夢を実現するため奔走する北添佶麿、吉田松陰の同志だった宮部鼎蔵、松陰の高弟だった吉田稔麿など、金も名誉も望まずに国のために働き、志半ばで倒れた男たちの生きざまには、深い感動がある。
本書の登場人物の多くは、来年の大河ドラマ『花燃ゆ』にも重要な役割で登場する。そのため歴史小説ファンも、ドラマ好きにもおすすめだ。
※女性セブン2014年12月4日号