次の「決議文」を読んでいただきたい。
〈消費税を解散の大義名分とするのは後付けで、民意軽視、国民のことを一切考えない党利党略である〉
〈現在、国会においては、衆参の「ねじれ」もなく、衆議院は任期を2年残して、与党で3分の2を越える議席を確保、自民党としても294議席という圧倒的な数を握っており、今国民の期待に応えることが出来る状況にある〉
〈県内の業界団体の大半から「仕事はあるが、利益が出ない。いつもの年より厳しい年末になる。選挙をやっている余裕はない。選挙が年末商戦に響く。何のための解散なのか、意味が良く分からない」と反対や疑問視する声が相次いで出ている〉
──そう指摘し、安倍首相の解散判断を、〈国民生活に与える影響を考えると、どう考えても異常である〉と一刀両断している。
国民の多くもうなずく内容かもしれない。実はこれ、「自民党王国」と呼ばれる自民党岐阜県連の県議や市議、支持団体幹部たちが解散表明の3日前(11月15日)に決議した文章である。
与党の絶対多数を持つ総理大臣が、有権者が望まず、身内からも「党利党略」と批判されながら解散権という「伝家の宝刀」を抜いた。岐阜県連が指摘するように、安倍首相がいまや正常な判断ができない状態にあるとすれば国家の一大事である。
※週刊ポスト2014年12月5日号