大相撲九州場所の仕度部屋には「コ」の字形の上がり座敷がある。正面奥の中央に横綱が座り、奥から上位陣が陣取るのが暗黙の了解だ。その他は髷を結う床山の都合で同部屋の力士が並んだり、仲の良い力士が隣同士に座ることになる。
今場所の西の仕度部屋では正面に西の横綱・鶴竜が構え、両脇に大関の稀勢の里と豪栄道が陣取る。彼らと対戦する日以外は、次に控えるのは西の新関脇・逸ノ城のはずだが、なぜかそこに姿がない。
「逸ノ城は支度部屋で決まった場所を見つけられず、平幕力士の間に隙間を見つけてなんとか場所を確保していた。上位陣にもモンゴル力士グループにも声をかけられずに居心地が悪そうで、192センチ・199キロの巨体が縮こまって見えた。後半戦に入ってようやく見つけた“定位置”は入り口近く。奥から睨みを利かせる鶴竜を避けているようだった」(スポーツ紙記者)
※週刊ポスト2014年12月5日号