近畿圏で資産家男性が次々と不審死を遂げた事件で「第2の木嶋佳苗」と疑惑視されていた67歳女性がついに逮捕された。京都府警は11月19日、昨年12月に夫の筧勇夫さん(当時75)に青酸化合物を服用させて殺害した疑いが強まったため、妻・千佐子容疑者の身柄を確保。
さらに、2012年3月に交際中の大阪の男性(当時71)がバイクで転倒して死亡した事件についても、保存されていた男性の血液から青酸化合物が検出されており、同容疑者の関与が疑われている(本人はいずれも否認)。
この2人を含めて、結婚相談所などを通じて知り合った計6人の男性が千佐子容疑者との結婚・交際から数年以内に死亡しており、相続した遺産総額は8億円に上ると見られる。
すでに各テレビ局の報道・情報番組で紹介されているが、千佐子容疑者の疑惑をいち早く報じたのは本誌だった(3月28日号、4月4・11日号)。さらに7月18日号では同容疑者のインタビューを掲載し、
「子供たちを大学に行かせてやりたかったから経済力のある再婚相手を探していた」
「(男性たちには)私から押し入ったんじゃなくて、私のほうが求められた」
「なんで私がやるんですか。そんなことをしたら、100%私が疑われるじゃないですか」
など、逮捕前の千佐子容疑者の肉声を伝えた。この時、千佐子容疑者は勇夫さんの毒殺を疑われていることについて、
「まったくの想像ですけど、私がいない間に、(勇夫さんが)インターネットで『勃たないのを治す変な薬』を手に入れたりして、間違って飲んだとか」
と、ネットで入手した粗悪なED治療薬が死因であるとする「仮説」を唱えた。記者が「過去に結婚・交際していた他の男性でED治療薬を使っていた人はいるか」と問うと、
「いないです。薬を飲むほど弱い人はいなかったから。みんな、ちゃんと勃ってました。私が知らんだけで、ずっと飲んでいたかもしれないけど。女の立場でいちいち聞いてないわ、『あんた、飲んでるの?』なんて」
と、男性たちとの性生活の一端を明かしてもいる。本誌スクープから約8か月後の逮捕となったが、全容解明は難航が予想される。
「今後、立件の可能性があるのは大阪府警が捜査しているバイク事故の男性の件くらい。死亡から何年も経っているケースが多く、いずれも立件は難しいと見られている」(捜査関係者)
※週刊ポスト2014年12月5日号