ウイスキー作りに情熱を傾ける夫婦を描いたNHKの朝ドラ『マッサン』が好調なことにより、ウイスキーに俄然注目が集まっている。今こそ大人の嗜みとして、ウイスキーの飲み方の一つも覚えておきたいところ。バーでウイスキーを飲む際の注意点を紹介しよう。
■バーテンダーとの会話も「味」の一部
バーではバーテンダーとの会話が、お目当てのウイスキー、適切な「飲み方」に出会える確率を高くする。
「例えばお客様が食前なのか食後なのかといった、小さな情報でも出していただけると助かります。食前酒としてならハイボール、食後なら水割りではお腹が膨らむのでロックやストレートなど、状況に合わせてお出しします」(東京・銀座にある老舗のバー「ロックフィッシュ」の間口一就氏)
感想も遠慮なく。例えばストレートがきつい場合は、「割り水」を注文する。
「お客様の反応でこちらから割り水をお出しすることもあります。濃すぎるならトニックウォーターを頼んだり、コーラ割りにしたりすればOK。それで嫌な顔をされることはありません」(間口氏)
■「ブレンデッド」にストレートはNG
ウイスキー評論家の土屋守氏は、バーで飲むなら最初のウイスキーとして「スコッチのシングルモルト」を推奨している。そしてシングルモルトに慣れてきたら「ブレンデッド」を飲んでみよう。
「これはストレートで、というと怪訝な顔をされる可能性があるので注意してください(笑い)。基本的にロックで飲むものです。大ぶりなグラスで、氷にもこだわりたいですね。大きく綺麗な丸氷とブレンデッドの相性は抜群です。
ブレンデッドはモルト・ウイスキーにグレーン・ウイスキーを混ぜた奥深い味わいです。ロックだと徐々に氷が溶けて味がマイルドになる。時間をかけて溶ける丸氷が、カランカランとグラスの中で音を立てる風情は格別です」(土屋氏)
■つまみは「甘い物」で
間口氏はおつまみにもこだわりを持っている。
「ハイボールは炭酸が食べ物の油を流してくれるので、ナッツやチョコレートと相性が良い。自宅で飲む場合はマカロンやクッキーなどの焼き菓子がおすすめです。香ばしいウイスキーによく合います」(間口氏)
※週刊ポスト2014年11月28日号