リタイヤ後に夫婦で海外旅行に行こうと思っても、そこで困らない程度の語学力はあった方がいい。とはいえ、中高年になってから英会話を習得しようと思ったらどうすればいいか。
英会話スクール「English Time!」代表の川本佐奈恵氏は現在、英会話スクールを運営するほか、企業や早稲田大学の公開講座などで英会話講師を務める。専業主婦時代に英語の勉強を始め、今ではエキスパートとなった川本氏が、英語を話せるようになるためのポイントを解説する。
「話せるようになるには、単語帳を作るなどの受験勉強のようなことをしてもダメ。やはり話す訓練が必要です。最初はとにかく英語の会話を聞いて真似てみることです。
私が今も続けていてお手軽にできるのがNHK『ラジオ英会話』。毎回、番組の冒頭で1分に満たないほどの短さで、一般人向けのシチュエーションを設定した会話文のコーナーがあります。放送を録音して、意味はわからなくてもいいので、とにかく音声を1文聴いて発音を真似します。
これを続けると、かつて学校で教わった英語とは違うことに気づいてきます。例えば、“what I”は『ワライ』、“I got it”は『アイガリッ』に聴こえる。とにかくその日の例文を真似できるようになるまで続ける。最初はそれを毎日繰り返すだけでもいいでしょう」(川本氏。以下「」内同)
中高年には学生時代のような記憶力はない。せっかく覚えても忘れてしまう不安もあるが、
「大丈夫です。重要な単語やフレーズは繰り返し登場するのでそのうち覚えられます。フレーズや単語はテキストで確認して、意味と会話文の場面を軽く頭に入れるだけでOK。“音まね”する時間がないという人は、通勤電車の中で音を聞きながら、リップシンキング(声に出さずに口だけ動かす)するだけでも効果はあります」
NHKの英会話講座には『基礎英語』もある。こちらは文法の勉強に効果的だという。
「会話文などが学生向けの内容になっています。文法は中学校レベルで十分ですから、『基礎英語I~III』のシリーズもおすすめですね」
※週刊ポスト2014年12月5日号