11月17日発売の本誌・週刊ポストには、警視庁を激震させるスクープが掲載されていた。『警視庁困った!相手は複数?「交番SEX」にふけった美人婦警』である。しかし、奇妙なことに、同じ事件を報じる記事が発売当日の朝日新聞朝刊に掲載された。朝日の記事は、発売前の「週刊ポスト」を確認して、その内容を「横取り」した疑いが濃厚だ。
本誌は何も「後追い」が悪いといっているわけではない。当然、こちらも新聞の続報を打つことはある。ただしその際は、当然媒体名を明らかにして必要な部分を引用する。
新聞が悪質なのは、その「当然の情報」を隠すことだ。彼らは媒体名すら明記せず記事内容だけを拝借する。
ジャーナリストの間には「日本で最強のスクープメディアは『一部週刊誌』」というジョークがある。大新聞は「ポスト」にしても、「週刊文春」や「週刊新潮」にしても、その固有名詞を出すことを嫌い、紙面では「一部週刊誌」と書く恥ずべき慣習がある。
もっと悪質なのが「と分かった」というフレーズの「分かった報道」である。行政や政治家などに事実確認していればまだマシで、何も取材せず「分かった」と書くことさえある。新聞記者が雑誌を読んで「分かった」ということか。
※週刊ポスト2014年12月5日号