相次ぐ大規模地震の発生で、南海トラフ地震、首都直下型地震の恐怖が現実味を増すなか、11月22日の長野県北部地震(震度6弱)を2か月半前にピタリと予知していたのは、「MEGA地震予測」を本誌で公表した村井俊治・東大名誉教授だ。村井氏が指摘する次の警戒ゾーンはどこなのか?
●奥羽山脈警戒ゾーン
全国的に静謐期間であったにもかかわらず、多くの異常変動が見られたのが、東北地方の中央部を青森県から栃木県にかけて南北に走る「奥羽山脈警戒ゾーン」だ。
「3.11の時は東北地方の太平洋側が大きく沈降していましたが、今は一転して隆起を始めている。その反動で奥羽山脈周辺と日本海側の沈降が大きくなっています。これまでの調査の経験上、沈降状態にある地点のほうが地震発生時の震度が大きい。注意が必要です」(村井氏)
●首都圏・東海警戒ゾーン
「伊豆諸島、静岡などでは7~8月に大きな異常変動がありました。しかしその後は動きがほとんどない。今回地震が起きた甲信越も、異常変動後の静謐期間が長かったことを考えれば、まだまだ注意すべきゾーンです。半年以内に震度5以上の地震が起こる可能性はあります。規模によっては首都圏への影響は非常に大きい」(村井氏)
●南海・東南海警戒ゾーン
政府が「30年以内の発生確率は60~70%」とする南海トラフ地震との関連が懸念されるのがこの地域だ。電子基準点の動きを見ると、四国全体から日向灘を挟んで対岸の宮崎県まで異常変動点は広がっている。
「日向灘などで中小規模の地震が起きています。いまだに隆起・沈降を繰り返しており、大地震の可能性は否定できません」(村井氏)
●九州・南西諸島警戒ゾーン
7cm超の異常変動が屋久島付近に集中している、
「8月3日に34年ぶりに口永良部島で噴火があり、その後、奄美大島などで中小の地震が続きました。それで終わりなのか、それとも大地震の前触れなのか、判断に迷う状況です。しかし今回の白馬の例もある。8月に異常変動が起きていることから考えると、来年1月までは警戒を怠るべきではないでしょう」(村井氏)
村井氏による『週刊MEGA地震予測』は毎週水曜日発行(216円)。詳しくは http://www.jesea.co.jp
※週刊ポスト2014年12月12日号