横峯さくら(28)が、米女子ツアーへの参戦権を争う最終予選会(12月3日~)出場のため、11月27日に渡米した。
日本での最終戦となった『大王製紙エリエールレディス』(11月20~23日)で結婚後初となる念願の優勝を果たし、生涯獲得賞金10億円を突破。大きな区切りをつけての挑戦に、強い決意を感じさせる。
米ツアー参戦に驚いたのは横峯を長く取材してきたゴルフ記者たち。なぜなら横峯は「女子ゴルフ界きっての海外嫌い」といわれてきたからだ。“さくらパパ”こと横峯良郎氏さえも驚いた一人だ。
「さくらが“米国に行く”と言い出すとは思ってもいなかった。結婚すれば次は子供だと思っていたのに(笑い)。
さくらは本当に海外が嫌いだったからね。これまでは1人で行くのは嫌だといって、家内が鍋と釜を持って同行していたんだから。
だから今回も、付いて行こうかと聞いた。そうしたら“今回は夫婦だけで頑張りたい。食事も自分たちで何とかする”という。亭主ができて変わったなァ」
横峯は今年4月22日に入籍。相手はメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(33)で、今年の12月20日に結婚式を挙げる予定だ。
海外挑戦は森川氏に強く勧められたからだといわれるが、良郎氏は「理由はもう1つある」と語る。
「俺がさくらを日本に引き留めていたような面もあるんです。あの子がプレーしたこの10年間、(宮里)藍ちゃんをはじめ、日本のトッププロが次々と米女子ツアーに参戦していった。そのためゴルフ関係者から、“さくらちゃんまで行ってしまったら、日本のツアーはどうなってしまうんだ”といわれていた。だから俺が“日本のツアーはお前が守らないといけない”と話していたんです。
その結果、ほとんど予選落ちもせずに10億円も稼ぎ出した。本当によく頑張ったと思いますよ。そんなさくらが海外に挑戦してみたいという。いわれてみれば最近は球筋を研究したり、ティの高さを変えるなど、細かい調整をしていた。海外のタフなコースを想定して練習していたんじゃないかな。
昔は俺にいわれたことしかやらなかったあの子が変わったよね。若い選手も台頭してきたし、俺も家内も賛成していますよ」
横峯は現在世界ランク44位で、日本人では最上位(次点が46位の大山志保。宮里藍は97位)。
「行くからには1、2勝はしてもらいたいね」
ついに“娘離れ”を迎える良郎氏は寂しそうに笑う。米国の地で満開の桜を咲かせてほしい。
※週刊ポスト2014年12月12日号