モテるのも会話の中心にいるのもいつだって美女・イケメン。人生で良い思いをするのは美形と相場は決まっている―誰もが同感しそうなこの話。でも、彼らに本音を聞くと、実態は美形ならではの挫折・苦労の連続だった。
エンジニアとして働く千葉県在住のA子さん(35才)は、天海祐希似でクールな雰囲気を持つお姉さま系の美女だ。
「お酒が大好きで、飲むと気分が明るくなるせいか、おしゃべりになっちゃうんです。合コンでも、男性陣の前で、『男日照りで、寂しいです!』と自虐ネタを口にしたり、上司にも『あんた全然、わかってないねえ』とタメ口をきいてしまう。
先日は、知人の紹介で会った男性の前で、場を盛り上げようとピーナッツ片手に『冬でもナッツ』とギャグをかましてしまいました。その後、彼から連絡はありませんでした」(A子さん)
お酒が入るとマシンガントークになるためか、周囲からは「黙っていれば美人」と、がっかりされることが多いという。
イケメンゆえに、勝手にモテる、彼女がいて当たり前と判断されてしまうケースもある。埼玉県在住の契約社員・B子さん(31才)の同僚は誰もが認める美形ゆえ、こんな勘違いをされているという。
「私の職場には30才で城田優似の長身ハーフ美男子がいるのですが、5年以上彼女なし。職場の女性たちからは『あのルックスで彼女がいないなんて、変な性癖があるんじゃない?』と、あることないこと勝手に噂されています」
大阪府在住の会社員・C子さん(35才)は、会社の後輩のオンとオフの姿にがっかりしたという。
「27才の後輩は小泉進次郎にそっくりで社内で人気ナンバー1。スーツ姿もバッチリ決まっていて、モデル並みにかっこいいんですが、ある日、休日出勤で着てきた私服が、『Lucky』と書かれたロングTシャツをジーパンにイン。しかもセカンドバッグを持って現れ、みんなは『昭和?』と唖然。ずっと彼に片思いしていた女性社員は『100年の恋も冷めたわ…』と嘆いていました」
中央大学文学部教授(心理学)で『美人は得をするか「顔」学入門』(集英社新書)の著者・山口真美さんは、美女やイケメンに対する周囲の先入観が悲劇を招くと言う。
「美女やイケメンは、すべてにおいて完璧だろうと思われてしまうんです。だからちょっとした粗も目立ってしまい、普通の人に比べて、がっかりされる度合が大きいんです」
イケメンだからファッションセンスがよくて当たり前、美人は楚々としているものだというイメージが足かせとなっている。
「それにもかかわらず、仕事で成果を残すと美人やイケメンは正当な評価を受けにくい。仕事ができるから出世したのに、『美人だから上司に気に入られて出世した』『枕営業をした』と勝手に理由付けされ、陰口を言われてしまうケースがよくあるようです」(山口さん)
※女性セブン2014年12月18日号