「あら~、玉ちゃん、お久しぶり~」
重い扉を開いて颯爽と現れた玉袋筋太郎(47才)。全日本スナック連盟会長、その人である。座るや、「はい、どうぞ!」とママ。チューハイ片手に乾杯のかけ声とともに取材が始まった。
「女性だって、スナックに行ったほうがいいと思うよ。行ったことがない人は、怖いとか、怪しいんじゃないかとか、ボッたくられるんじゃないかって心配するけど、そんなことないって!」
――ところで会長、スナックの良さってなんでしょう?
「今は便利な世の中で、なんでもマニュアルでしょ? その点、スナックには、マニュアルなんてないからね。全国に10万軒あるんだけど、全部違う。自分の嗅覚だけを頼りに、開けたことのない扉を開ける、そんな楽しいことはないと思うよ」
――とはいえ、旅先でフラッと知らないスナックに入って、怖い経験をしたり、ハズレだと思ったこともあったのでは?
「怖い経験は一度もないね。ただし、ハズレはある(笑い)。でも、おれはハズレもアタリだと思ってるからね。話のネタになるし、忘れられない旅になるじゃない。実家に帰った時に地元のスナックに行くと、しばらく会っていない友達の近況が聞けたり、ばったり知り合いと会ったり、ミラクルが起きると思うね」
横でじっと話を聞いていたお客さんが、玉ちゃんに「忙しそうだねぇ」と気軽に話しかけ、お酒談議が始まった。しばし取材は中断…。
「こうやって、たまたま隣に座ったお客さんと話をするのも楽しいじゃない。女性の皆さんもせっかく行くなら、ママやお客さんと積極的にコミュニケーションを取ったほうが楽しめると思うよ」
――でも、ママはともかく、おじさんたち相手に、どんな会話をしたらいいんでしょう。
「まずは自己紹介だね。自分が何者で、どこから来たのかとか、何をしているか、とか話してみるといいんだよ。そのうち、共通の話題が見つかって、盛り上がるって!」
――逆に、しちゃいけない話題とかって、ありますか?
「酒場の御法度ネタは、政治・宗教・野球。仕事や近所づきあいと一緒だね。その点、芸能ネタはアリ! 『女性セブン』を読んでる人であれば、みんなが知らないことを知っているから、たちまち会話の中心になるはず!」
――なるほど! なじみになりたいなら、どれぐらいの頻度で行けばいいですか?
「最初のうちは週に1回程度かな。顔を覚えてもらって、あとはスナックのカードを何枚持てるか。安くあげたいならあそこ、愚痴を聞いてもらうならあそこ、みんなでワイワイするならあそこってね。これが大人のたしなみだよね(笑い)」
――最後に、気になるお値段ですが…?
「さっきも言ったように、スナックはマニュアルがないのがマニュアル。値切ったってオッケーです。例えば3人で行くなら、『1人3000円でやってよ!』って言ってみる。そうしたらママが『1人4000円ならいいわよ』なんてね。ファミレスとかじゃあ、あり得ないでしょ? でも、スナックだったらそれもアリなんだよ。
ただし、忘れちゃいけないのは、多くの店は値上げもせずに出血覚悟で商売しているから、無茶はダメ。値段交渉もコミュニケーションの一つだと思って、楽しんでほしいね」
※女性セブン2014年12月18日号