「やっぱり“周りを見なければいけない”っていう潜在意識があって、集中しきれませんでした…」
フィギュアスケート・グランプリファイナルの出場権こそ手にしたものの、NHK杯で4位と惨敗した羽生結弦選手(19才)は、試合後、演技前の6分間練習について、こうふり返った。
彼が集中できなかった理由、それは、11月8日の中国杯の練習中に起きた、あの激突事故にあった。
「あごを7針、頭を3針縫う大けがを押して試合に強行出場しましたが、実は羽生選手、試合後は頭痛のあまり、歩くこともできなかったそうです。そのため、あの事故以来、練習中は、どうしても激突が気になって周りの選手にばかりに目が行ってしまい、これまで通りのジャンプの練習ができないそうなんです」(フィギュア関係者)
帰国後の精密検査では、脳や体に異常はみられなかった羽生選手だが、今、彼の周囲で心配されているのは、体調以上に、このメンタル面での“トラウマ”が今後の競技人生に影響を及ぼしかねないということだという。
「練習ではなく、試合本番でも、激突事故の精神的な後遺症が見て取れたんです。羽生選手の場合、3回転フリップを跳ぶ前は、ジャッジサイドを見てから跳ぶのですが、今回はずっと後ろばかりを見ていて、着氷もギリギリでした。本人も“迷いというかビビりがあった”と話していましたから…。
本番でも無意識に防御本能が出てしまうというのは、深刻な問題です。今後、ジャンプするたびに、その恐怖心がちらつく可能性があるわけで、果たしてこれまで通りのジャンプができるのかどうか…」(前出・フィギュア関係者)
12月12日には、スペインでのグランプリファイナルも控えている羽生選手だが、この“トラウマ”を克服する術はあるのだろうか。
※女性セブン2014年12月18日号