与党圧勝ムードが漂う今回の衆院選について、週刊ポスト名物企画「老人党座談会」に集った政界大物OB、村上正邦氏(元自民・82歳)、矢野絢也氏(元公明・82歳)、筆坂秀世氏(元共産・66歳)の3人が歯に衣着せず斬りまくる。
──安倍首相の突然の解散を受けて急遽、「老人党」の皆さんに集まっていただきましたが、今回は常連メンバーの平野貞夫氏(79歳、元民主)がいません。
矢野:平野先生は生活の党からご出馬ですって?
筆坂:そうなんですよ、わははは。
矢野:笑っちゃいかんよ。
村上:本人は大真面目なんだから。
矢野:当選の暁にはお祝いでもやろうよ。
筆坂:平野さんは大真面目だから困るよな(笑い)。
矢野:まあ、小沢さん(一郎・生活の党代表)との関係もあるんでしょう。
村上:立候補のいきさつは本人から聞いているけど、つまりは小沢さんの気持ちをよくご存じで、今回の解散に際して、及ばずながら手伝おうという気持ちになったようです。実は解散が決まる少し前に、平野さんと新党立ち上げを画策していたんですよ。
政界の「悪党」を集めようと考えた。小沢一郎に亀井静香(元国民新党代表)、それから鈴木宗男(新党大地代表)もいる。悪党は一人でも「党」だけど、それが集まればより強力だ(笑い)。それで亀井と小沢の仲介役をしていたのが平野さん。新党は不発に終わったけど、平野さんは深くコミットしていくうちに出馬という話になったんです。
矢野:その新党の話は私も9月頃に亀井さんから相談された。彼は自分たち老人は消えてもいいから、これからの若手を党首、幹事長に据えたいと熱心に語っていた。いつもとはちょっと違うなと感じて協力していたんですが、こんなに早く解散されてしまい、計画は立ち消えになってしまった。
【プロフィール】
●村上正邦(むらかみ・まさくに):1932年生まれ。1980年に参議院議員初当選。自民党国対委員長、労働大臣、参院自民党幹事長、議員会長を歴任した。
●矢野絢也(やの・じゅんや):1932年生まれ。公明党立党に参加し、1967年に衆議院議員に初当選。公明党書記長、委員長、最高顧問を歴任。
●筆坂秀世(ふでさか・ひでよ):1948年生まれ。日本共産党入党後、1995年に参議院議員初当選。党中央委員会常任幹部委員、書記長代行などを務めた。
※週刊ポスト2014年12月19日号