ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、オバさんたちに美しく生きるためのアドバイスを送るこのコーナー。今回は、OLについてのお話です。
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今週は、代表的な昭和語、「OL」についてお話しします。「OL」とは、いうまでもなくオフィス・レディーの略ですが、今はほとんど聞くことがありません。女性が働くことが当たり前になって、あえて“働いている”ことを強調する言葉は、必要なくなったのでしょうね。
思い返せば、昭和のOLさん全盛期はいい時代でした。花嫁修業に励みつつ、大手企業に「腰掛け」で入社し、すごろくの「あがり」は寿退社。
もし今、“お嫁入りするまでの少しの間”なんて気分でお勤めしたら、たちまち上司から白い目で見られてしまいます。
そんな昭和の「OL」と入れ替わるように現れたのが多種多様な「OLさん」で、現代のオフィスで大いに幅をきかせています。例えば…自分の権利ばかりを主張して威張っている「オールド・レディー」、別名「お局レディー」。あるいは、アレして、コレしてと、若いお嬢さんに指図するばかりで微動だにせず、すっかり体が育ってしまった「大きなレディー」。
芸能リポーター以上の熱意で、社内スキャンダルをかぎまわって、スクープを飛ばす「大きなお世話レディー」。なかでも、周囲に迷惑をかけているのは、イタい若づくりで悪目立ちしているうえに、やたら若い人の輪に入りたがる「お邪魔レディー」です。
「なにそれ? 教えて、教えて~」と、会話の腰を折るだけじゃありません。人気のレストランの話をしていれば、「私も行きた~い」と割り込んでくる厚かましさ。
世代の違う人と会話を合わせるのは、かなり面倒臭いことだし、目上の人から食事に同席したいと言われたら、むげには断れません。
しかも、こういう図々しい人に限って、周囲に「特別扱い」を強要します。誤解のないよう、申し上げますが、私は、「特別扱い」を要求すること自体、ちっとも悪いことだと思っていません。
オンナの幸せは、どれだけ多くのかたに、華麗に“えこひいき”していただけるかにかかっているとすら思っています。かわいい女性や仕事のできる女性が「えこひいき」されるのは当然だし、「えこひいき」されたいのなら、それ相応の努力を重ねなさいと、私は言いたい。
この真理を理解しないで、「○○さんばっかり、ずる~い」なんて、悪口を言う方がおかしいんです。断言します。女性の幸せな人生は「えこひいきの積み重ね」にあります。
周囲から「特別扱い」される資格を、ずっと持ち続ける女性こそが、美しく光り輝くのですよ。オバさん、万歳!
※女性セブン2014年12月18日号