1989年6月の天安門事件で、学生らの民主化運動の指導者だったウーアルカイシ氏(46)が台湾の立法委員(国会議員)の補欠選挙に無所属で立候補することを明らかにした。
同氏はやはり台湾に居住している王丹氏と同じく、中国の民主化運動のヒーローだっただけに、知名度は抜群でダークホース的な存在だが、ネット上では「ゴミだ。鼻くそ候補だ」とか「政治家として力量は大丈夫?」などとの批判的な書き込みが目立っている。
台湾メディアによると、ウーアルカイシ氏は中国新疆ウイグル自治区出身だが、すでに台湾に居住して18年が経過し、納税などの市民として義務も果たすなど、被選挙権も保持しており、選挙に出馬するのはまったく問題ない。
同氏は1989年の天安門事件後、米国に脱出し、ハーバード大学などで学び、大学で出会った台湾人留学生、陳慧玲さんと知り合い、台湾で結婚。テレビのアンカーマンや政治評論家として活躍。妻の陳さんの父が国民党の有力者だったこともあって、2004年の立法委員選挙で立候補に強い意欲を見せたが、国民党の候補者争いに敗れ、出馬できなかった。
今回は満を持しての立候補で、今回の統一地方選挙での馬英九政権の歴史的敗北を受けて、「歴史のカギとなる時に、身を挺することができるのは光栄だ」をスローガンに「台湾の歴史的変革の一助になれば」と出馬を決意したという。
今回の補選は、さきの統一地方選で、立法委員を辞任し、台中市長選に立候補し当選した林佳龍氏の欠員を補充するものだが、林氏は野党・民主進歩党(民進党)のエース的存在。
ネット上では「ウーアルカイシ氏の考え方は素晴らしい。当選すれば、台湾に真の民主をもたらすに違いない。絶対支持」との好意的な書き込みも見られるが、「ウーアルカイシに林佳龍の代わりが務まるのか。それほど、政治的力量があるのか疑問」とか、「この人(ウーアルカイシ氏)は野心だけの人で、人間性を疑う」との立候補に強く反対する書き込みも目立っている。