宗教団体と密な関係を持つ政党が選挙に候補者を送り込むことが一般的になっているが、果たして団体そのものは政治に対してどう考えているのか。そこで本誌は、新宗教団体に集団的自衛権、靖国神社参拝、河野談話見直し等についてアンケートを行なった。
今回のアンケートは、いわゆる新宗教(幕末~明治以降に創設された宗教団体)のうち、信者数の上位10団体に送付した。回答があったのは創価学会や幸福の科学など4団体、ほかはさまざまな理由で回答を見合わせた。
とはいえ、こうした団体が政治に全く無関心、無関係かと言えば、そうとは言えない。政治評論家の浅川博忠氏が解説する。
「団体の大小にかかわらず、比例区のボーダーラインにいる候補などは、一つの宗教団体の支持を取り付けられるかどうか次第で当落が決まる。選挙を念頭において政治家は複数の宗教団体からの推薦や支援を取り付けようとする。そのため、宗教団体の新年会などに参加することはいまや政治家にとって必須のことなのです」
もちろん、本部に推薦をもらったからと言って、その地区の信者から集票できるとは限らない。そのため、政治家たちはさまざまな工夫をする。
たとえば、関西地区の巨大宗教団体に関して、ある議員は教団本部の普通の信者が入れないエリアにコネを使って入れてもらい、地方の信者にそれを触れ回ることで「先生、あそこまで行けたんですか」と信任を勝ち取る。あるいは、事務所の秘書を、複数の宗教団体に入信までさせている議員もいる。
宗教団体の「最後の組織票」をめぐって、政治家たちは必死の争奪戦を繰り広げている。
※SAPIO2015年1月号