「老後は年金だけで生活していけるのか」──老後にかかる生活費(支出)はいったいいくらだろうか。
総務省の家計調査(2013年)によると、「高齢夫婦無職世帯」(夫65才以上、妻60才以上の夫婦のみの無職世帯)の場合、毎月の支出は平均27万2455円。その主な内訳は、食費の6万459円、教養娯楽の2万6055円、交通・通信費の2万5327円など。「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾さんが解説する。
「50代の男女に『60代以上に必要な食費はいくらぐらいだと思いますか』と質問すると、2万円とか3万円という答えが多いんですが、実際はその倍以上かかります。老後『何にいくらかかるか』をしっかり把握されていないかたが多いです。平均的な夫婦の年金収入は22万~23万円といわれていますので、年金だけだと毎月4万~5万円の赤字になってしまいます」
なお、「高齢単身無職世帯」(65才以上の単身無職世帯)の場合だと、毎月の支出は15万5300円。国民年金だけでは到底まかなえず、厚生年金だとぎりぎりやっていけるが、ゆとりはないのが実情なのだ。
※女性セブン2014年12月25日・2015年1月1日号