ラブホテルで働きながら夕刊紙に仕事の様子を連載している漫画家のじぇんじぇん氏が、ラブホテルの裏側を語る。
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僕の勤めているラブホは都内の繁華街の近くにあります。
5階建てで部屋数は16室。勤務体制は週3回、お昼の12時から翌日の同じ時間まで、24時間ぶっ通しです。『笑っていいとも!』の放送開始と重なっていたので「タモリ・トゥ・タモリ」と呼んでいます。
主な仕事は客が利用した後の清掃。3人一組で浴室、洗面所、室内とベッドメイキングという役割分担です。浴室か洗面所の清掃を早く終えた人と室内係の2人でベッドメイキングするというパターンになります。
給料は1回あたりの勤務で1万5000円。客数が増えると、それに応じて1000円ずつプラスされます。
客が帰ったらすぐ部屋に飛んでいきます。ほとんどの客は室内を散らかしたままにしていくので、これからの季節はクリスマスパーティーの後始末が増えます。ケーキやフライドチキン、プレゼントの包装紙などが散乱しています。
先日はSM用の赤いローソクが床じゅうに落ちていて難儀しました。床に這いつくばり、ヘラで蝋をガリガリと削るんです。ローションプレイにも閉口しますね。部屋中がベドベトになっているし、浴室で使ったローションだって、なかなか洗い流せないんです。
困るといえばベッドの下に落ちているコンドーム。うっかり掃除機で吸い取ってしまうと、中の液体が熱で暖まって、排気口から強烈な臭いを放つんですよ。
使用済みのコンドームを5つも壁に貼り付けていた猛者もいました。自慢したかったのでしょうか。ちなみに部屋には2個装備されていて、追加分は部屋まで届けます。
高齢者の利用はここ数年でかなり増えています。70代の常連カップルは、週1回、朝10時に来て夕方5時45分に帰っていく。しかも不倫関係のようなんです。ただし、ベッドが乱れていないからセックスはしていないようです。
全裸でキャッキャッとはしゃぎながら廊下を端から端まで走り回っていた女性客がいたり、ピンクローターの注文があって届けた時に全裸の美女が出てきてビックリしたこともあります。
スケスケのベビードール一枚でホテルの外に突っ立っていた女性もいましたが、あれは放置プレイの一種なんでしょうかね。
●じぇんじぇん/漫画家。2009年から始めた夕刊フジの連載「ラブホ戦記」(水曜日発売号に掲載)は来年300回を迎える
※週刊ポスト2014年12月19日号