ソフトバンクの日本一で幕を閉じた2014年のプロ野球。野球評論家・江本孟紀氏は「問題ばっかりですわ」とため息をつく。今季の「アホ」たちのなかから、オリックスが獲得を発表した元アスレチックスの中島裕之について、江本氏が論評した。なお、江本氏が言うところの「アホ」は関西では親しみと温かさを込めて使われる言葉で、「変われば良くなる」という期待を込めたものである。
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来季から日本球界に復帰することが決まった中島裕之。当初は阪神入り確実と報道されていました。しかし蓋を開けてみるとオリックスが3年12億円(推定)で契約した。でも僕は阪神にとってはよかったと思っています。僕からいわせれば、彼を獲ろうとしたこと自体アホですわ。
皆、勘違いしているんですよ。彼はアスレチックスでは内野手失格の烙印を押され、一昨年、昨年と一度もメジャーに登録されなかった選手です。一軍でダメで帰ってくるならまだしも、2A、いわば日本の二軍以下のところをクビになった選手ですよ。「メジャー帰り」ではありません。
そんな選手を日本の球団が獲り合うなんておかしいでしょう。これじゃあ選手に「ダメなら日本でやればいいや」と舐められます。一度メジャーに行った者は、最低何年間かは日本に復帰できないとか、復帰を認める場合は何かペナルティが生じるというようなルールを作るべきですよ。
確かに中島は西武時代、最多安打や最高出塁率のタイトルを取った選手です。アメリカに行かず日本にいればスーパースターになっていたでしょう。それが潰されて帰ってきた。いわば金が鉄クズになって戻ってきたんです。それをまた金レベルで厚遇してやろうとアホなことをやっている。そんなもの金メッキだからすぐ剥げますって。
※週刊ポスト2014年12月26日号