「STAP細胞はありまぁーす」「200回以上成功しています」──かつての豪語が、今となっては虚しく響く。理化学研究所の小保方晴子氏はついに土壇場まで追い詰められた。
小保方氏によるSTAP細胞の検証実験が先月末に終了した。しかし理研は、「実験結果の公表は未定」(広報室報道担当)として、いまだにその内容を明らかにしていない。
重要なのはSTAP細胞が存在するのか、しないのか、その1点に尽きる。理研は「データのとりまとめが終わり次第、公表する」(同前)と先延ばしにしているが、もし1回でも再現に成功したなら、すぐに発表しているはずだ。理研関係者が内情を話す。
「8月の中間報告で小保方氏の論文にある手法ではSTAP細胞は再現できないと発表されているように、結論はすでに出ている。理研としてもこのタイミングで大々的に発表して批判されることを避けたいのでしょう。来年3月には、小保方さんと別に検証実験を行なっているチームの結果が出る。そこではじめて、研究結果と小保方さんの処遇に触れるのではないか」
3月というタイミングは理研にとって都合がいいとこの理研関係者はいう。
「現段階で小保方さんの処分を決定すれば懲戒解雇は避けられない。そうすると処分を不服として訴訟を起こされたり、理研内部の問題を外部に漏らされる可能性がある。理研としては、笹井芳樹氏(故・CDB副センター長*)が亡くなって当事者もいませんし、訴訟は避けたい。その点、3月まで雇用を引き延ばせば、懲戒解雇ではなく来期の契約を更新しない形で穏便に小保方さんを切れる」
処分の引き延ばしは、小保方氏への温情ではなく理研側の都合というわけだ。
【*注】CDB=発生・再生科学総合研究センター
※週刊ポスト2014年12月26日号