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厚労省年金改悪 何があろうと下げ続けるという強い決意あり

 厚生労働省は選挙のドサクサに紛れて、国民に気付かれないように水面下で年金改悪を検討している。政府の社会保障審議会の関係者が明かす。

「今の仕組みでは、基本的に『物価の増減率-(マイナス)スライド調整率(カット率)』の割合で年金を減らしていくことになっている。

 厚労省はそれを、デフレ下で賃金減少率が物価下落率を上回る場合、『賃金減少率-スライド調整率』にする方向で検討を始めた。当然、現行制度よりも減額幅は拡大する」

 つまり、

●物価がマイナス0.5%
●賃金がマイナス2%
●スライド調整率がマイナス1.1%

 だったとすると、今までは「マイナス0.5%」と「マイナス1.1%」で1.6%の減額だったが、それが「マイナス2%」と「マイナス1.1%」で3.1%の減額となるように改悪しようというのである。現在のように景気が苦しい時に、“現役世代も苦しいのだから、もっと減らすからな”というわけだ。やられるほうはダブルパンチである。

 アベノミクスによって、すでに実質賃金は16か月連続で減少している。前述のような改悪を考えているということは、厚労省は今後アベノミクスが失敗して賃金が減り続けることを予測しているのだろう。そして年金は、何があろうと下げ続けるという“強い決意”がうかがえる。

 圧倒的な議席を握る安倍政権が、年金官僚たちが作るさらなる改悪計画をそのまま国民に押し付けることは間違いない。国会にチェック機能がない以上、改悪を止めるのは国民の声しかない。

※週刊ポスト2014年12月26日号

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