野球評論家の江本孟紀氏は「アホ」という表現を使うが、これは関西で親しみと温かさを込めて使われる言葉で、「変われば良くなる」という期待を込めたもの。2014年の日本プロ野球ペナントレースを振り返り、現在の球界の問題点を指摘した。
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しかし今年のペナントはしょうもなかったですね。特にセ・リーグはアホみたいな結果でした。
シーズン中、巨人の原辰徳監督と話した時、僕は「いまの巨人は金満と肥満やね」といいました。
年俸が上がればその金額に応じた仕事をしなければいけません。ところが最高年俸の阿部慎之助を筆頭に、働きは年俸に見合っていない。結局今年は3割打者も、打撃ベスト10に入った者もいなかった。さらにこれも阿部が筆頭ですが、ブクブク太る肥満児ばかり。
原監督はこれを認め、「管理を選手に任せ過ぎた」と悔やんだうえで、「江本さん、金満、肥満に不満を付け足してください」といってきました(笑い)。
これには原監督自身の不満もありますが、選手からの不満がないという問題がある。カネを十分もらっているためか、4番が7番に下げられても不満をいわないんだそうです。原監督に食ってかかる選手もいなかったらしい。巨人は「三満」に毒されているんですよ。シーズン終盤なんか、12球団一弱いんじゃないかと思うような惨状でしたからね。
それなのに巨人がリーグ優勝した。もうね、これは他のセ5球団がアホ大賞です。
ヤクルトと阪神はあれだけタイトルホルダーを出しながら、自分勝手な野球ばかりで自滅。中日は落合博満GMが仕事を勘違いして、本来は選手側に立って補強するべきなのに、コストカットばかりして弱体化した。あれじゃGMじゃなくて球団社長ですよ。
広島、横浜には元々優勝できる力はないから、その意味ではよくやったといえるかもしれませんけど。
※週刊ポスト2014年12月26日号