2014年のプロ野球はソフトバンクが日本一となり幕を閉じたが、パ・リーグでは日本ハムファイターズの大谷翔平がプロ入り2年目の今年も話題の中心だった。野球評論家の江本孟紀氏は「二刀流なんてアホなことはやめなさい」と忠告している。ここで使われている「アホ」とは関西で親しみと温かさを込めて使われる言葉で、「変われば良くなる」という期待を込めたもの。二刀流をやめた大谷の可能性について、江本氏が解説する。
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パで最大の話題になったのは、10勝&10本塁打を達成して日本プロ野球史上初の快挙と持ち上げられた大谷翔平ですかね。来年も二刀流をやらせるんでしょう。
でも僕は、このままだと大谷は後世に名を残す選手にはなれないと思っています。もうさっさと二刀流なんてアホなことはやめなさいといいたい。
日本では投手は100勝しないと表彰してもらえません。このままなら100勝まで何年かかりますか。打つほうにしたって、規定打席に達していない。2割7分4厘で本塁打10の野手なんて、そこらじゅうにゴロゴロいます。
打率3割5分で35本、投げて18勝くらいで初めて二刀流成功といっていいでしょう。まァそれが現実になったら、同時に日本のプロ野球が「草野球レベル」に落ちたことになりますけどね。他のチームの選手は何やってんだ、ということになる。結局誰も幸せになれないんです。
彼は早く投手に一本化すべきです。あれだけの球を投げられる投手はいないんだから、そこを優先すべき。
打者だと一発当てられたり、走っている時に足を引っかけられたりして骨折でもすりゃ終わりだから避ける。他球団も含めて、他の選手たちが「大谷君は二刀流ができてすごいね!」なんて思っていると思いますか? 思っていたら真性のアホですよ。
MLBに追いつけ追い越せというなら、本物のスーパースターを育てるべきです。大谷が投手としても打者としても非凡なのは間違いないから、いつまでもアホな二刀流をやらせていてはいけません。それが球界のためになるのではないでしょうか。
※週刊ポスト2014年12月26日号