2015年はゴルフ界には久々に景気の良い年である。国内ツアーは、女子は37試合を維持し、男子は3増の27試合が開催されることが決まった。
2014年のツアーでは、男子では平塚哲二、横尾要、久保谷健一ら、女子では金田久美子、三塚優子、諸見里しのぶら有名プロが次々シード落ちした。男子は小田孔明が初の賞金王になったが、女子はアン・ソンジュ、テレサ・ルー、イ・ボミとトップ3を外国人が独占するなど、日本人選手の不甲斐なさが目立った。
それなのにどうして「追い風」が吹いているのか。理由は海外での日本人選手の活躍と、五輪効果でゴルフ人気に復活の兆しが見えてきたことにある。
日本のエース・松山英樹は世界ランク20位以内の常連となり、万全の態勢で米ツアーに臨んでいる。
「忘れてはいけないのがツアー3年目の石川遼。メジャー大会の出場権はないものの、シード選手として試合を絞れます。そのため、日本ツアーへのスポット参戦など松山より自由な日程が組める。大きな飛躍が期待できます」
というのは米ツアーに詳しいタケ小山氏。
女子では、1月から始まる米ツアーに本格参戦することが決まった横峯さくらに注目が集まる。
「新婚の二人三脚(夫はメンタルトレーナーの森川陽太郎氏)で転戦するというのも楽しみ。彼女の実力なら間違いなく優勝争いに加われる。米ツアーでプレーする日本人女子選手の中では最も環境が整っている」(同前)
そして彼らが中心選手となるであろう五輪にも注目が集まる。2015年は2016年のブラジル五輪ゴルフ競技に向け、公式戦成績を基にした世界ランキングによる出場選手選抜レースが始まる。ゴルフ評論家の菅野徳雄氏が語る。
「その先には2020年の東京五輪がある。すでにコースも霞ヶ関CC(埼玉県)に内定しています。いわばゴルフ界にとって、2015年は“東京五輪元年”ともいうべき年なのです。ゴルファーの育成や発掘に、国家プロジェクトとして取り組む必要があります」
ゴルフの聖火リレーは、すでに始まっている。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号