野球評論家の江本孟紀氏は、米大リーグが「常識外れのアホみたいなカネを払っている」ことに起因して、最近の選手は売り時に稼げればいいと思っていると指摘している。この場合の「アホ」というのは、関西で親しみと温かさを込めて使われる言葉で、江本氏いわく「変われば良くなる」という期待を込めたもの。その「アホみたいなカネ」をもらったことで、人が変わったと思わせるイチローの様子について、江本氏が語った。
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カネは人を変える、という出来事が最近もありました。
先日、“大魔神”佐々木主浩の野球殿堂入りのパーティがあって、壇上の佐々木にイチローが花束を贈呈するシーンがあったでしょう。
イチローは舞台の袖から出てきて、会場にいる我々のほうを見向きもせずにスタスタ佐々木のところへ歩いて行き、花を渡すとそのまま袖にスッと消えた。後は一切姿を見せなかった。
忙しいのかもしれないけど、普通なら少しは会場に降りてきて球界の大先輩たちと親睦を深めるのが礼儀でしょう。今は公の場に出たくないだろうあの清原和博でさえ、会場で関係者と話をしていたのに(笑い)。
昔、サンフランシスコのデパートでたまたま会った時はイチローも愛想が良かったんだけど……。
原因はやっぱり巨額のカネでしょうね。オレの十分の一も稼げないでエラそうに評論するな、という顔だもの。だから平民のところへは降りてこなかったのかな。こっちもスミマセンね、という気持ちになるけど(笑い)。
※週刊ポスト2014年12月26日号