高齢者ホームが急増しているが、最近では行政から開設許可を受けずにオープンする「無届け施設」も増えているといい、玉石混交となっている。
そうした中で、入居してから「失敗した」と気付いては遅い。施設選びを間違えないために、入居前にきちんと生活や介護の実態を知っておくことが必要だ。高齢者住宅開設のコンサルティングを行なう「タムラプランニング&オペレーティング」代表・田村明孝氏によると、チェックポイントは3つある。
【ポイント1】介護の実態が本人にも家族にもオープンか
体験入居ができる、家族がいつ面会に来てもいいといった条件は必須だ。さらに、入居者から直接話を聞くなどして住み心地や介護の実態を把握したほうがいい。
たとえば、施設内で大声を上げている入居者がいる施設は必要なケアを怠っている可能性があるので要注意だ。
【ポイント2】認知症ケアが充実しているか
特養などの施設入居者の7割以上が認知症といわれている現在、発症を防いだり、症状を遅らせたりする療法を取り入れている施設を選びたい。人によって効果がある方法は違うので、複数種類のケアを受けられる施設が理想だ。
【ポイント3】看取りをしているか
特に介護付き老人ホームや特養では、過去にどれだけの看取り実績があるのか確認したい。いざ最期を迎えようという時、「看取りはできない」と追い出されて行き場がなくなるのは悲劇だ。半年に1度以上は看取りに関する研修会を開いている施設もある。そうした施設は安心といえる。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号