年末年始は芸のないタレントが騒ぐだけのバラエティばかりかと思われがちだが、人間の生きざまをじっくり追ったドキュメント、重厚なドラマや見逃していた話題の映画、息詰まるスポーツ中継など、見応えのある番組も少なくない。そこで、年末年始だからこそじっくり見たいドキュメンタリー番組を3本紹介しよう。
(1)『昭和偉人伝「後藤田正晴」』BS朝日 12月24日(水)21:00~21:54
“カミソリ後藤田”の異名を持つ政界の御意見番・後藤田正晴。「日本が決して戦争に巻き込まれることがないように」という信念を生涯貫いた不屈の人物として知られる。「あさま山荘事件」など、数多くの苦渋の決断を強いられた人生にあって、それでもなお信念を貫いた理由に迫る。
(2)『NHKスペシャル シリーズ東日本大震災「住民の信頼は取り戻せるか~甲状腺がん福島県立医大の模索」』NHK総合 12月26日(金)22:00~22:50
東京電力福島第一原発事故によって多くの住民が被ばくした福島で、住民の間に医療機関への不信感が高まり、18歳までを対象とした検査を未就学児や高校生の3割しか受けない異常な事態が起きている。住民側、医療側のさまざまな取り組みを取材し、福島の現実を考える。
(3)『NHKスペシャル「京都御所~日本の歴史を生み出した最後の聖域~」』NHK総合 1月1日(木)7:20~8:20
京都の中心にある「京都御所」。建物から調度品に至るまで、伝統工芸の粋が集められている。一方で、平安貴族の王朝絵巻から幕末の動乱まで千年もの間、そこは日本の歴史のひのき舞台でもあった。非公開の御殿や庭などを初めて高精細「4Kカメラ」で取材した。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号