これまで、中国の寿司屋や反日映画の撮影現場など、さまざまな現場に潜入してきた中国在住ジャーナリストの西谷格氏(33歳)が、独身生活にピリオドを打つべく、中国版婚活パーティーに参加した。西谷氏がレポートする。同氏は上海市内のコーヒーチェーンにおける婚活パーティで見事26歳女性の連絡先をGETした。
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上海市内のコーヒーチェーン店で会った数日後、福原愛似の女性(26)とランチの約束にこぎ着け、初デートを迎えた。だが、直前になって彼女から「友達も連れて行っていいか?」と提案されて渋々オーケーしたところ、知らない女性を2人も連れて来られてしまった。
しかも彼女は先日のシックなスーツスタイルとは打って変わって、この日はショッキングピンクのフード付きパーカー。こんな派手な服、日本では見たことがない。さらに明るい場所で彼女の表情を確かめると、化粧がかなり濃くて雑であることにも目がいく。
幻滅しつつも小ぎれいな中華レストランに案内し、4人で食事した。友人たちは私の方を値踏みするようにじっと見つめており、メニュー選び一つでも、経済力を測定されているようなプレッシャーを感じる。食事中、3人は内輪ネタで盛り上がっており、私は完全に蚊帳の外。黙って食事するしかなかった。
食事を終えると彼女たちはかっぱえびせんの模造品のような袋菓子を店内で開け、音を立てて食べ始めた。店員は黙認していたが、あまりマナーが良いとは言えない。会計の段になったが誰一人払う素振りはなく、当然のように私が支払う。ご馳走をしてもお礼の言葉は一切なく、無言で立ち上がると「じゃあまた」とだけ言って3人は立ち去った。中国人は友人同士では「謝謝(ありがとう)」をあまり言わないし、デートでは男性がおごるものだとは聞くが、こうした文化の違いに日本人はモヤモヤする。
後日、今度こそ2人で食事に行こうと何度かメールしたが返事はなく、完全に連絡が途絶えた。
※SAPIO2015年1月号