ライフ

森永卓郎氏選出「アベノミクスをどう評価するか」を語る3冊

 毎回、評者に1人1冊を選んでもらう書評コーナー。今回は年末年始に合わせ3冊の本をピックアップしてもらった。経済アナリストの森永卓郎氏が「アベノミクスをどう評価するか」をテーマにピックアップしたのは、以下の3冊だ。

(1)『99%の国民が泣きを見るアベノミクスで貧乏くじを引かないたった一つの方法』 (増田悦佐/マガジンハウス)
(2)『アベノミクス批判』(伊東光晴/岩波書店)
(3)『日本経済はなぜ  浮上しないのか』(片岡剛士/幻冬舎)

 以下、森永氏の解説。

 * * *
 総選挙でも最大の争点になったアベノミクスだが、専門家の間でも評価が大きく分かれている。

(1)は、デフレ待望論だ。アベノミクスのインフレで利益を得るのは金持ちだけという指摘は、少なくとも、これまでのところでは、当たっている。ただ、庶民は投資をせずにひたすら節約すべきというのは、ちょっと夢がない。

(2)はアベノミクスの政策効果の全否定だ。円安さえ金融緩和のせいではないと言う。民主党政権時代に調達した為替介入資金を財務省が先物取引を使って先送りし、安倍政権になってから実質介入に踏み切ったというのだ。これが真実なら、財務省が民主党政権を倒しに行ったとも考えられるすごい話だが、この本には、そんな独自見解が満載だ。

(3)は最も地に足のついた分析で、金融緩和は成功したが、消費増税で景気が失速したというものだ。消費税増税先送りを安倍総理が決断する前に書かれたものなので、政治が著者の提案どおりに動いたことになる。

※週刊ポスト2015年1月1・9日号

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン