民主党では1月18日に「世代交代」を賭けた代表選が行なわれる。海江田万里・代表が落選、菅直人・元首相も小選挙区で敗れ、「旧世代」の政治家が影響力を失う中で、党員投票で行なわれる代表選挙は旧世代の岡田克也氏と新世代の細野豪志氏の争いになると見られている。
その代表選で細野氏が自民党の小泉進次郎氏に対抗する新たな社会モデルを掲げることができれば、今回の総選挙で棄権した1700万人のサイレント・マジョリティが再び政治に戻ってくる可能性はある。そうなれば、たった1800万票しか持たない自民党は変わらざるを得なくなる。
ここでいう「1800万票」とは何か。「自民党圧勝」とはいわれるものの、実際の票数はそこまで圧倒的に多いわけではない。今回の総選挙で、自民党の小選挙区の総得票は約2546万票だったが、選挙協力した公明党の基礎票(比例代表の731万票)を差し引くと1815万票にとどまる。自民党の比例の得票(1766万票)とほぼ一致し、これが本当の「自民党票」と見ていいからだ。
「進次郎vs細野」で従来とは全く違う次世代の対立軸を示せれば、それが「旧世代最後の総理」である安倍首相の政治が完全に終わるときだ。
※週刊ポスト2015年1月1・9日号