「年末年始の帰省」は、たとえ数日間の滞在だとしても、親と寝食を共にし、今後の家族の課題について語り合うことのできる貴重な時間となる。親とのコミュニケーションの中でさまざまな不安を解消していきたい。
親の体調面では、いちいち問いかけずとも「観察」することで分かる情報がある。体重の大幅な増減や酒量・喫煙量、顔色やむくみなどに変化があれば、健康状態の異変が疑われる。
老人医療や認知症が専門の医師で作家としても活躍する米山公啓氏がいう。
「体重の増減に注目するのは、様々な大病の兆候である可能性が高いからです。短期間で急激に3~5kgほど減っている場合、がんの可能性も疑われる。脳卒中の場合も、前兆として水や食べ物を飲み込みにくくなる。うつ病や糖尿病の悪化を疑う必要も出てきます」
子供に無用の心配をかけさせたくないあまりについ強がってしまうのが親というもの。だからこそ「聞く」前にまずは「見て分かること」をしっかりチェックしたい。
「血圧」や「薬の服用状況」は、本人に尋ねるしかない。この点は、自分もすでに中高年であれば、自分の話から切り出せばいい。「俺はこんな薬を飲んでいるけれど、親父は?」「ウチの家系はどんな病気が多い?」などと話を振れば自然に聞き出すことができる。
サプリメントや健康食品を常用しているかも知っておきたい。
「グルコサミンなら関節痛、ごまのサプリなら高血圧やコレステロールなど、サプリによって親が心配しているポイントが把握できる」(前出・米山氏)
※週刊ポスト2015年1月1・9日号