韓国内を揺るがしている、大韓航空前副社長のチョ・ヒョナ氏(40才)による“ナッツリターン”騒動。その背景には、韓国財閥一族の常識はずれな感覚があるという。
大韓航空を傘下におさめ、海運や物流を中心にITや観光まで広く事業を手がける、総資産4兆円という巨大財閥「ハンジングループ」。
この2代目会長、チョ・ヤンホ氏(65才)の長女として生まれたヒョナ氏は、ソウル市内の大豪邸で、弟のウォンテ氏(38才、大韓航空副社長)と妹のヒョンミン氏(31才、同社役員)と共に、父から帝王学を学び、小学校から国内随一の名門校に通うという典型的なセレブ嬢だった。
米国の大学に留学した後、26才で大韓航空に入社し、32才で役員登用、39才で副社長と、彼女は超特急で出世していくが、この間、浮き世離れした価値観が矯正されることはなく、過去にも幾度となく騒動を起こしている。
「2010年に、仁川の高級ホテルで接客態度の悪かった従業員を呼びつけて怒鳴りちらし、蹴りを入れるなど暴行を加える姿が目撃され、ネット上で話題になったのです。この時は、なぜか事件化せずに終わりました」(韓国の全国紙記者)
また、2009年に有名整形外科院長と結婚し、2012年に第一子を妊娠したヒョナ氏だが、出産直前にアメリカ本部に転任し、現地で産んですぐにまた韓国本社に復帰していた。
当時、これが“遠征出産”といって、韓国のセレブがわが子を兵役に就かせないために米国籍を取得させる、典型的な兵役逃れ工作だと指摘された(米国生まれの者は米国籍を取得する権利を持つ)。
「遠征出産は、韓国国内で社会問題化している悪しき慣習で、ヒョナさんの転任と出戻りに関しても、ネット上で批判が噴出しました。でも、彼女はそうした書き込みをした人物を特定し、逆に次々と名誉棄損で告訴していったんです」(別の韓国全国紙記者)
さらに、ヒョナ氏が飛行機に搭乗する際は、従業員を5時間前にスタンバイさせ、制服の色も全て指示通りにさせたり、機内ルールに反して離陸前でも自分の荷物を棚に入れなかったりするなど、彼女の特権的振る舞いは、何度も問題視されていたという。
今では、過去に同じようにナッツが提供された際、「ナッツは嫌いだって言ってんでしょ! 二度と出すんじゃない!」と恫喝して客室乗務員を泣かせていたことも発覚し、「そもそも今回の事件は、単なる彼女のナッツ嫌いが原因だったのでは?」という疑惑まで飛び出している。
※女性セブン2015年1月8・15日号