かつて、大晦日のテレビ番組はNHK紅白歌合戦の一人勝ちだった。1963(昭和38)年には、最高視聴率81.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。平成に入り、数字は下降しているが、それでも昨年も44.5%で、年間最高視聴率をマークした。一方で、民放各局も手をこまねいて見ているわけにはいかない。民放テレビ局関係者が話す。
「昔であれば、『大晦日=紅白』のイメージが強く、民放は半ば諦め気味で裏番組を編成していた。しかし、ここ数年はダウンタウンの『笑ってはいけない』シリーズ(日本テレビ系)が好調。昨年は、19.8%(第1部)と20%まであと一歩という同シリーズ最高の数字を獲った。
そのため、NHKも必死です。以前のように、黙っていても紅白にチャンネルを合わせてくれるわけではないとわかっているので、さまざまなサプライズを用意しようとしています。今年の紅白では、ギリギリまで中森明菜の復帰出演を打診していると報じられているのも、そうした危機意識の表れでしょう」
紅白で明菜復帰となれば大きな目玉になるのは間違いないが、その対抗馬と目される『絶対に笑ってはいけない大脱獄24時!』には、あのスーパーアイドルが登場しそうだという。
「田原俊彦です。今年、田原がゲスト出演した『ガキの使いやあらへんで!!』は、6月8日8.3%、6月15日9.7%と高視聴率を獲得。その際、松本と浜田が『笑ってはいけないに出てほしい』とオファー。田原も乗り気でした」(同前)
11月の記者発表では、“初登場となる大物スターが出る”と告知。名前こそ挙げなかったが、浜田が『(秘)ゲストちゃんには、ほとほと困りました……』と言い、松本も『ゲストで大暴れして面白かったので呼んでみたのですが 、こんなに暴れるかってくらい』と話している。
「田原とダウンタウンは、相性がいい。いまや大御所になってしまったダウンタウンに対して、若手芸人は萎縮してしまうし、誰も突っ込めない空気ができている。そのなかで、年上であり、分野の違う田原は自由に2人をいじれる。6月の放送では、普段観られない“突っ込まれて戸惑う”ダウンタウンを田原が引き出したため、視聴者が釘付けになったのでしょう。
実は、10月12日、『ガキの使い』は総集編として田原とマツコ・デラックス出演時の放送を流しました。すると、視聴率10.6%を獲得。今年、同番組で3位の数字です。近年、『ガキの使い』が10%台になるのは珍しい。しかも、いわば再放送と言える総集編だったため、“やはり田原とマツコは数字を持っている”と改めて評価されました」(日テレ関係者)
田原が紅白の裏で、『笑ってはいけない』シリーズ初の視聴率20%超えに導くか。