中国に狙われているのはサンゴだけではない。本国で大人気の日本製紙おむつや、『iPhone』最新型などの電化製品に目をつけ、日本で買い漁る中国人。彼らのなかには、観光客を装った転売目的のバイヤー(転売ヤー)が大量に紛れ込んでいる。
日本製紙おむつを買い占めている転売ヤー。タチが悪いのは、このような甘い汁を吸おうと、個人から企業まで大小問わず、さまざまな中国人グループが転売ビジネスに乗り出している点だ。なかには日本の暴力団関係者や有名な中国人不良グループが組織的に関与しているケースもあるとされる。
そうした裏社会の面々の大きなシノギとなるのが、中国の富裕層向け転売市場だ。そこで扱われる”ブツ”がすさまじい。ブローカーによれば、日本庭園用の錦鯉や松などの庭木、さらには南部鉄器まで取引されているという。
「中国の富裕層は金に糸目をつけません。京都を訪れれば『同じ庭がほしい』と言い出して庭木を買い付ける。庭園用の赤松は中国への輸入が禁止されているため、検査の緩いベトナムやミャンマーを経由して陸路で中国に運ぶこともあります。また、中国ではお茶を飲みながら鉄分も摂取できるという理由で南部鉄器の人気が高まり、日本の2~3倍の値段で捌けます」(転売ビジネスを手掛ける中国人ブローカー)
※SAPIO2015年1月号