『人間革命』シリーズ(池田大作著、聖教新聞社)や、話題の人物が取り上げられている「公開霊言」シリーズ(大川隆法著、幸福の科学出版)など、常にベストセラーとなる宗教本は数多い。
主に信者がまとめ買いをするため、書店にとってはありがたい本となっているが、その実態について3人の書店員が明かす。
●座談会参加者
Aさん/大手チェーン店ビジネス街の店舗勤務(女性)
Bさん/大手チェーン店本部担当(男性)
Cさん/中堅チェーン店郊外スーパー内店舗勤務(男性)
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Aさん:信者の購入者はランキング入りを狙っているわけよね。
Bさん:むこうさんも、そのチェーン店や店舗でどれくらい1週間に買えばランキングに入るかは、わかってるから。
Cさん:私もお店で、「店員に信者がいるから、置いてるのか!」ってクレームつけられたことがあります。
Bさん:一般のかたが思っているより「普通の出版社」なんだよね。というか、こちらは一出版社として接している。
Cさん:ときどき、「セミナー系の勧誘とか、あるんじゃないの?」と聞かれるけど、それはありませんよね。
Bさん:ない。
Aさん:版元からは、まずないね。取次が扱っている通常の書籍だから、ごく普通の出版社の営業さんと同じ。
ある新宗教系で本を購入された方の手相を見るというイベントは見たことあるけれど、にぎやかしで、その場で勧誘とかはなかったよ。
Bさん:本音を言えば、宗教本に限らず、書店員としては「自分がいいと思った本」を売りたいわけだけれど、売り上げも大事なので……。
Cさん:僕はわり切ってます。売れる本がいい本です!
※SAPIO2015年1月号