間もなく2014年も終わりにさしかかっているが、隣国・中国では結婚ラッシュになっている。
なかには「お見合いで会った人と、とりあえず結婚した」なんていう話も聞こえてきている。なぜそこまで慌てて結婚しようとするのか。
ジャーナリストで『中国人の取扱説明書』(日本文芸社刊)の著者、中田秀太郎氏はこう解説する。
「中国人は干支にこだわります。来年は羊(未)年で中国では縁起があまりよくないとされています。だから運勢がいいといわれている馬(午)年の今年中に結婚したいと考えるカップルが多いのでしょう」
だが、もう今年の残りもわずか。さすがに間に合わないのではないだろうか。
「中国では干支が切り替わるのは旧正月である春節だとされています。つまり、2015年の場合であれば2月18日までに結婚できれば馬年の結婚、ということにできるんです」(前出・中田氏)
逆に、出産のおめでた話は極端に減りそうだ。
かの国には「十羊九弱」という言葉があり、羊年の子は短命で幸せになれないという迷信があるという。さらに深刻なのは女児の場合だ。「羊守空房」という言葉から、羊年の女性と結婚すると夫が早死にするといわれ、嫁の貰い手がなくなるという。
日本でも「丙午生まれの女性」に関する言い伝えがあるが、当然ながらこういった言説は、なんの根拠もない迷信だ。北京や上海などの都市部に住む人たち、とくに若年層はほとんど気にしない。が、内陸の農村など迷信にこだわる地域に実家を持つカップルの場合は苦労が絶えない。
河北省出身、上海で働く25歳の男性はこう漏らす。
「2015年に同郷の彼女と結婚することを決めていたのですが、親がどうしても羊年の結婚は避けろとうるさくて、前倒しして春節前に挙式をすることにしたんです。会場のホテルもなかなか空きがなくて大変でした」