天皇陛下のお正月は、早朝5時30分、「四方拝」という祭祀から始まり、八百万の神々を拝礼する「歳旦祭」(さいたんさい)に臨まれる。その後、9時30分から新年を迎えたお祝いと自然の恵みに対する感謝を表す「晴の御膳」という儀式があるが、この時は箸を立てる所作をされるだけ。
朝食として召し上がるのは、おせち料理ではなく、「御祝先付の御膳」と呼ばれる料理だ。
「本膳は菱葩というお餅に、小串ブリ焼き、浅々大根(大根の塩漬け)。二の膳は割伊勢海老、栗を甘い汁で煮込んだ福目煮勝栗など。そのほかに、キジの胸肉を焼いて熱燗を注いだ雉子酒があります。三が日で少しずつ内容が異なりますが、毎年同じものです。朝食ではお雑煮やお屠蘇は出ません」(宮内庁関係者)
昼は新年祝賀の儀の合間にサンドイッチなどの軽食を召し上がる程度。激務を終えられた夕食時に、「御祝御膳」とともにお雑煮を召し上がる。
「御所が京都にあった名残か、関西風の白味噌仕立ての丸餅のお雑煮です」(宮内庁関係者)
「かつて高円宮様がお元気だった頃、『お年玉をもらったことはありますか?』という質問に『ない』と答えられました。
『学校に行くと、みんなお年玉の話をするので羨ましいと思った』と。おそらく今もないのだと思います」(皇室ジャーナリスト・久能靖さん)
ただ、「お年日の御祝い」という慣わしがあり、「正月三が日の日干支」と「生まれ年の干支」が同じ皇族は、両陛下から「お万那料」というご祝儀のようなものを贈られるという。
※女性セブン2015年1月8・15日号