2014年、もっとも視聴率を稼いだタレントといえば、マツコ・デラックスだろう。冠番組『マツコ・有吉の怒り新党』(テレビ朝日系、水曜23時15分~)は深夜帯ながら、毎回のように2ケタ視聴率をキープ。さらに遅い時間から始まる『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系、月曜23時58分~)も10%前後を獲得。10月13日、21時から放送した2時間スペシャルでは、15%の高視聴率を記録している。
10月から始まった『マツコの知らない世界』(TBS系、火曜21時~)も、12月9日に13.8%で同時間帯1位に。マツコが出れば、数字が獲れるともっぱらの評判だ。テレビ局関係者が話す。
「マツコさんは、今いちばん数字を持っていますね。レギュラーはもちろん、1人ゲストの番組でも必ず獲ってくれます。11月23日にゲストとして登場した『おしゃれイズム』(日テレ系)では、15.9%をマーク。同番組で、今年2位の視聴率です。1位は、自然と数字の上がりやすい『24時間テレビ』放送の日だった。だから、実質1位と言っていいでしょう。
この日は、1時間スペシャルでしたが、今年、『おしゃれイズム』が単体で1時間放送したのは、明石家さんま(4月20日)とマツコだけ。数字で言えば、さんまさんは11.8%だった。いまや、さんまさんを抜いたといっても良いほど、マツコは視聴率を獲れる」
ただ、よく見ると、マツコがゴールデン帯に出演することはあまりない。基本的に22時台以降の番組が目立つ。
「マツコは、『今のテレビ界は22時台や23時台こそ、若者にとってのゴールデン帯』と言っている。19時に家に帰ってきて、テレビを見る20代、30代はほとんどいないと考えており、『自分のようなキャラクターを救ってくれたテレビ界を活性化させるためにも、その時間帯で貢献したい』と思っているそうです。
制作側も、マツコのキャラからして、その時間帯がベストだと考えていますね。ただ、そのなかで、TBSはゴールデン帯の21時台にマツコの冠番組を持ってきた。これまで21時台に『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でのレギュラー出演はありましたが、メインを張る冠番組はなかった。
『マツコの知らない世界』は、マツコと制作サイド、両者にとって挑戦だったわけです。2回目の放送で視聴率7%になったときは、やはり時間帯が合わないのかと思いましたが、今のところ2ケタと1ケタが、だいたい交互にきている。この番組が常に2ケタに乗るようになれば、マツコは名実ともに視聴率男になったと言えるでしょう」(同前)
2015年、マツコの真価が問われる。