日本プロ野球史上1~3位勝利数の金田正一氏と米田哲也氏、小山正明氏、あわせて1070勝815敗の3人が史上初となる鼎談(ていだん)を開催した。数多くの勝利を手にできたのはなぜなのか、その秘訣を語り合った。
──それでは始めさせていただきます。皆さん300勝以上を挙げましたが……。
金田正一(以下、金田):ちょっと待て。ワシは400勝じゃ。
──ハイ、わかってます。皆さんがここまで勝てた秘訣は何でしょうか。
小山正明(以下、小山):勝っている人は故障していないんだよ。大きな故障はもちろん、今みたいにちょっと投げて、背中が張った、ヒジや肩が痛いというようなことは絶対いわなかった。ねえ、カネさん?
金田:(大きく頷きながら)ワシはプロ20年間で15年間はヒジの痛みに悩まされたが、痛くないように投げる工夫で乗り越えた。今は無理矢理に病名をつけているんだよ。あんなもの故障じゃなくて医者のビジネスじゃ。
米田哲也(以下、米田):僕も大きな故障はなかったですね。入団直後、1度だけヒジを痛めましたが湿布で治りましたわ。
小山:僕だって肩に違和感を覚えることくらいありました。でも入団当時の阪神の投手コーチの御園生(みそのお、崇男)さんに相談すると「投げたら治る」やからね。
※週刊ポスト2015年1月16・23日号