一昨年(2013年5月24日号)から、本誌・週刊ポストが注目してきた「MEGA地震予測」。昨年は、東大名誉教授・村井俊治氏によるこの予測法の精度の高さが実証された1年だった。
2014年(12月25日現在)、国内では震度5弱以上の地震が8回発生した。村井氏はこのすべてを週1回発行のメルマガ『週刊MEGA地震予測』や本誌記事で事前に予測、的中させた。
たとえば村井氏は、昨年5月30日号でこう指摘した。
〈現時点で注意が必要なのは北海道の函館の周辺です。(中略)函館はこれまで見ていてかなり特殊な基準点で、少し離れたところで地震が起きる際にも前兆現象が確認されることが多い。
たとえば2003年に起きたマグニチュード8.0の十勝沖地震の際にも函館の基準点は動いていた。浦河沖で小地震も観測されているので、函館だけではなく道南の広い地域で警戒が必要です〉
〈東日本大震災も含めた4年間の隆起沈降の記録を分析したところ、東北6県のうち、青森の基準点だけは他と異なる動きをしていて、北海道と連動していたんです。距離的にも函館に近い青森は注意しておいたほうがよいでしょう〉
すると7月8日に北海道南部・石狩地方で震度5弱の地震が発生。8月10日には青森県東方沖を震源とする震度5弱(青森県三八上北)の地震が起きた。
その後、9月3日午後4時配信のメルマガでは、栃木県を「要警戒」とし、〈長野県、群馬県、栃木県、岐阜県の山脈地帯にまとまって異常変動が見られました。4県に5cm超の異常変動があります。要警戒です〉と解説。なんとその直後の同日午後4時24分、栃木県北部で最大震度5弱(日光市)の地震が発生した。
極めつきは11月22日、長野県北部を襲った震度6弱の地震だ。
村井氏は本誌9月8日発売号『2014年後半「大地震の予兆」マップ』で〈甲信越・飛地方は今年に入ってから隆起沈降を繰り返していることから警戒〉として、「飛騨・甲信越・北関東」を警戒ゾーンに指定。特に被害が大きかった北安曇郡白馬村を「異常変動地点」として示していた。
村井氏は常に「私の予測はまだ場所や規模、日時を正確に提示できない不完全なもの」とするが、ピンポイント的中の連発という事実には驚くほかない。
*村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)では、毎週水曜日にメルマガ『週刊MEGA地震予測』を月額216円で発行している。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp/
※週刊ポスト2015年1月16・23日号