選挙に勝った安倍政権により、国民には次々と負担増が押し付けられる。国交省は整備新幹線(年間720億円の国費投入)と並ぶ「無駄な公共事業」の象徴だった八ッ場ダムの建設にも今年度から約2割上乗せした119億円を要求。本体工事は清水建設JVが総額343億円で受注して昨年10月に着工している。
この総事業費4600億円の巨大事業も民主党政権下でいったん凍結され、安倍政権になって強力に推進されたものである。
八ッ場ダムに関しては本誌がその利権構図を何度も報じてきた。国交省は事業を引き延ばして予算を水ぶくれさせ、天下りOBのいるコンサル会社や調査会社など「八ッ場ファミリー企業」を作った。民主党政権下ではファミリー企業を総動員して建設続行を工作した。もちろんそこには建設業界や役人と結託した自民党の族議員が暗躍している。いわゆる安倍氏のオトモダチである。
その他にも事業仕分けでいったん廃止されたスーパー堤防や被災地の総事業費1兆円の巨大防潮堤建設など、国民への給付を削って巻き上げたカネがどんどん消えていく。
※週刊ポスト2015年1月16・23日号