2014年はいったいどんな映画が流行ったのか? その結果からどんな傾向を読み取ることができたのだろうか。洋画・邦画それぞれの興行収入ベスト5は以下のとおりとなった。
◇2014年洋画興行収入ベスト5
1位:アナと雪の女王(254億7千万円)
2位:マレフィセント(65億3千万円)
3位:GODZILLAゴジラ(32億円)
4位:ゼロ・グラビティ(31億8千万円)
5位:アメイジング・スパイダーマン2(31億2千万円)
◇2014年邦画興行収入ベスト5
1位:永遠の0(87億6千万円)
2位:STAND BY ME ドラえもん(83億8千万円)
3位:るろうに剣心 京都大火編(52億1千万円)
4位:テルマエ・ロマエII(44億2千万円)
5位:るろうに剣心 伝説の最期編(43億3千万円)
※「文化通信社調べ」 数字は一部推定2014年12月上旬現在。
その中で、断トツ人気だったのが、“アナ雪”現象まで巻き起こしたディズニー映画『アナと雪の女王』だった。そう振り返るのは、映画ジャーナリスト立田敦子さん。
「興行収入は250億円を超え、2位と倍以上の差をつけての大ヒット。ディズニー映画史上初のWヒロインに加えて、主題歌『レット・イット・ゴー』も松たか子さん(37才)やMay J.さん(26才)らの歌声が街中のあちこちから流れ、見て、一緒に歌いたくなる作り方がヒットの要因だったと思います」(立田さん・以下同)
“アナ雪”旋風は日本のみならず、世界規模で広がり、実際に映画館に何度も足を運んだ人が多く、話題となった。
また、同じディズニー映画では、アンジェリーナ・ジョリー(39才)主演の『マレフィセント』も65億円を超える大ヒットを記録した。
「マレフィセントは、『眠れぬ森の美女』で魔法をかける魔女ですが、これに隠された究極の愛が、ディズニーファンの心をくすぐったのかもしれません」
邦画では、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』が興行収入No.1に輝いた。
「この作品は2部作で100億近いヒットとなりましたが、やはり漫画原作ものは強い」
大作がウケる一方で、大人の女性たちはまた違う映画のセレクトをしているという。
「ここ最近は、『チョコレートドーナツ』など、ミニシアターで上映される作品にロングランヒットするものも多いんです。
ほろりと泣けるものや、くすっと笑える作品。そして、女性たちの共感を得やすいのは、料理ものですね。45才以上の女性たちは、激しいアクションものよりも、ほろりとくる映画を好むようです」
笑って泣いて心を満たし、食映画で胃袋まで満足させる。そんな、内面充実系映画を、大人の女性は求めているのかも。
※女性セブン2015年1月22日号