国際情報

経済絶好調のアメリカに潜む「第2のサブプライム」の危険性

 アメリカ経済は目下絶好調だが、昨年の中間選挙でオバマ大統領の与党・民主党が大敗し、先行きははなはだ不透明だ。2015年のアメリカ経済はどう推移するのか? 大前研一氏が解説する。

 * * *
 アメリカはFRB(連邦準備制度理事会)がQE3(量的金融緩和第3弾)の終了を決定したため、これから金利が高くなるということで世界中からカネを吸い寄せ、目下、経済が絶好調だ。

 とはいえ、長期的に好調を持続できるとは思えない。昨年11月の中間選挙で大敗した民主党のオバマ大統領は2年の任期を残して早くもレームダック化(死に体化)してしまったので、2015年の政治は混沌とした状態になり、それは多かれ少なかれ経済に悪影響を及ぼすだろう。

 さらにアメリカでは「第2のサブプライム問題」と呼ばれる自動車ローンの破綻も噂されている。2006年末から2009年にかけて起きたサブプライム問題は、優良客(プライム層)よりも信用度の低い人(サブプライム層)向けの住宅ローン(サブプライムローン)の不良債権化が引き起こした金融危機だが、いま好景気とガソリン価格の下落を背景に自動車販売が好調なアメリカでは自動車のサブプライムローンが急速に伸びており、それを束ねて組成した利回りの高い証券化商品が増えている。

 その市場が住宅サブプライムローンの二の舞いになるのではないか、と懸念されているのだ。もし、自動車のサブプライム問題が現実のものとなれば、日本にも火の粉が降りかかる恐れがある。

※SAPIO2015年2月号

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン