国際情報

経済絶好調のアメリカに潜む「第2のサブプライム」の危険性

 アメリカ経済は目下絶好調だが、昨年の中間選挙でオバマ大統領の与党・民主党が大敗し、先行きははなはだ不透明だ。2015年のアメリカ経済はどう推移するのか? 大前研一氏が解説する。

 * * *
 アメリカはFRB(連邦準備制度理事会)がQE3(量的金融緩和第3弾)の終了を決定したため、これから金利が高くなるということで世界中からカネを吸い寄せ、目下、経済が絶好調だ。

 とはいえ、長期的に好調を持続できるとは思えない。昨年11月の中間選挙で大敗した民主党のオバマ大統領は2年の任期を残して早くもレームダック化(死に体化)してしまったので、2015年の政治は混沌とした状態になり、それは多かれ少なかれ経済に悪影響を及ぼすだろう。

 さらにアメリカでは「第2のサブプライム問題」と呼ばれる自動車ローンの破綻も噂されている。2006年末から2009年にかけて起きたサブプライム問題は、優良客(プライム層)よりも信用度の低い人(サブプライム層)向けの住宅ローン(サブプライムローン)の不良債権化が引き起こした金融危機だが、いま好景気とガソリン価格の下落を背景に自動車販売が好調なアメリカでは自動車のサブプライムローンが急速に伸びており、それを束ねて組成した利回りの高い証券化商品が増えている。

 その市場が住宅サブプライムローンの二の舞いになるのではないか、と懸念されているのだ。もし、自動車のサブプライム問題が現実のものとなれば、日本にも火の粉が降りかかる恐れがある。

※SAPIO2015年2月号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン