人間と同様にペットにも高齢化が進行中だ。健康促進の環境が整ってきたことでペットの寿命は30年前よりも5~7才近く延びた。2013 年は犬が14.19才、猫が15.1才(ペットフード協会「平成25年度全国犬猫飼育実態調査」)となっている。すでに高齢ペットには専用のペットフードを与えることは常識で、P&Gは「ペット長寿国プロジェクト」に賛同し、年齢別に応じた商品を展開している。
「高齢の犬猫向けのフードは体重を増やさず筋肉をキープするため低脂肪で、動物性たんぱく質を多く含んでいます。また、関節の健康を維持する天然由来のグルコサミンとコンドロイチンも配合されています」(ペットケア事業部)
そして注目されるのが、ペットの介護事業だ。高齢になったペットの介護をする老人ホームならぬ老犬ホームが増えている。東京都江戸川区の「ペットケアサービスLet’s 」では高齢犬を1日預かるデイケア(小型犬の場合、4320円~)や認知症を防ぐための脳トレなどを行っている。代表の三浦裕子さんの話。
「自宅までお迎えに行って1日預かって、体のお世話やトレーニングを行います。脳トレでは犬の本能を上手くかき立てて物を探させたりかくれんぼをしたりして脳を活性化させるんです。長生きするワンちゃんが増えているので必然的に認知症になるワンちゃんの数も増えています。ホームに預けるだけでなく、『自分で世話をしたいが、どうしたらいいかわからない』という飼い主さんからの相談も増加しています」
新潟・阿賀野市にある「わんわんぱーく」では昨年6月から終身介護を始めた。運営者の柿本晃亜さんは「飼い主さんの高齢化とともに需要が高まった」と話す。
「飼い主さんが看取りまで面倒をみられれば問題ない。しかし最近は子供が手を離れた50代後半や60代からペットを飼うかたが増えていて、ペットが高齢になる頃にはご自身も高齢なので体調を崩すとペットの面倒までみられなくなってしまう“老老介護”のご家庭が増えているのです」
「わんわんぱーく」では最初に入居費5万円、犬種や症状に合わせて月に約4万5000~9万円程度がかかる。
※女性セブン2015年1月29日号